ココの Haiku コンテスト

今日は歌会始めですね、唐突ですけど。そして強引にココちゃんに話をつなげますよ!

ココちゃんの在籍する The Gorilla Foundation (ゴリラ基金、ゴリラ財団) 主催の、ツイッターで募集する俳句コンテストがあったそうです。もう3年前の2011年7月4日の話ですけど!

海外でも日本発の俳句は「Haiku」として愛されているようで、日本語以外の言葉でも盛んに創作されているそうです。現地の言葉で五七五のリズムっぽく聞こえるように、なおかつ季語を盛り込むルールもそのままなようで、英語でどんな俳句が入選したのか気になりますね!

入賞者の選考過程は本当に協調的なものだった──送られた全ての俳句は Gorilla Foundation のスタッフと顧問によって論評され、約20選が最終評価のためにココとロン、ペニー (共同設立者たち) に回された。

ココはすばやくその全てを読みとおした (彼女は「速読」しているかのように目をとおした)。そして、彼女のお気に入り、ご覧のとおりすばらしい逸品を指し示した。

なるほど…。選考基準の半分は厳正な審査、半分は運まかせということですね。早速入選作を見ていきましょう!1位の met314 さん作!

Gentle lady ape
Nimble fingers share her thoughts
Teaching us to love

穏やかな類人猿の婦人
すばやい指が、彼女の思いを分かち合う
私たちに愛することを教えながら

あーなるほど!たしかになんとなく五七五のリズムで読めないこともない感じ。「Gen・tle・la・dy・ape」「Nim・ble・fin・gers・share・her・thoughts」「Tea・ching・us・to・love」こんな感じで区切って読んで五七五ですよきっと!

そして…季語はなんだろう…ゴリラ (類人猿) かな…ゴリラの季節っていつ?

五七五調の出来具合と「すばやい (Nimble)」には「頭の回転が速い」という意味もあるので、そういうダブルミーニング的な構成が評価されたんじゃないでしょうか!

そして、2位の tanyaosterman さん作。

When I was little
Koko showed me that humans
did not really know

私が小さいとき
ココが明らかにしてくれた
人は本当は知らないと

んー…。これは「was」を強調して二音節で五七五か…?読めなくもない!季語はやっぱりココ = ゴリラですが、季節は分かりません。ちなみに、愛とか平和とか大げさな句が多い中で、個人的にはシンプルで一番いいと思いました。

続いて3位、kokolove40 さん作!

Signing love polite
Koko's gifts of heart and mind
Change the world for good

愛と礼儀を手話しながら
ココの心と思いの贈り物は
世界を永遠に変える

これまた見事な五七五…英語の俳句もあなどれないですね…!あとは季語のゴリラだけなんとかしようか!ちなみに、「for good」は「永遠に」なのか「良く」なのか分かりませんでした。あるいは両方の意味がかかってるのかな…?

4位 coda1229 さん作!

Koko is our own
example of life's beauty
She shows we are one

ココは私たち自身の
命の美しさの例え
彼女が私たちもそのひとつだと示してくれた

以下、選外佳作だそうです。w_m_lewis さん作。

Do the thousand signs
include a gesture of peace?
Is Koko the sign?

千の手話は
平和の身振りも含むのか
ココはそのしるしなのか

これは「sign」という言葉が「手話」と「兆候、神の奇跡」とかかってるようです。翻訳が難しいのですが、とりあえずこんな感じにしてみました。ちょっと雰囲気出たかな…?次、Walking_Robots さん作。

Whenever someone
tells me animals can't feel
I show them Koko.

いつでも誰かが
動物は感じることができないと言うとき
私は彼らにココを見せる

うむむ…。翻訳が悪いのかな…なんかこうひねりがなくてつまらない感じになってしまいました…。ごめんなさい Walking_Robots さん…。次 cwpontwit さん作!

Koko your future
must be protected by us
or we won't have one.

ココ、あなたの未来は
私たちによって守られなければならない
さもなくば私たちのそれはない

さらに悪くなって機械翻訳っぽくなって申し訳ないです…。あれかな、もっと好きにやっちゃっていいのだろうか。ラスト、KokoLove40 さん、再選!

Universal love
Wisdom for eternity
Koko touches all

森羅万象の愛
永劫の叡智
一切合切ココが説かん

仏教用語とか取り入れて好き放題やってみました!なんかすごくなったけどやりすぎ感もすごい!

全体的に見ると、愛とか平和とか世界とか、そういうドラマティックな句が好まれるようですね。俳句というと古池とかカエルとかそんな侘び寂びをイメージする私たちとは違って、やっぱり西洋的な詩の影響も大きいんだなと感じました。

この企画、翌年はやっていなかったのですが、ぜひとも再開して欲しいものです。みなさんも日本からも本場の俳句を送りつけて、侘び寂びの心とゴリラに代わる季語を知らしめましょう!


タグ:ココ ゴリラ

世界初の手話で会話するチンパンジー、ワショー - その3

ワショーは1970年10月、育ての親ガードナー夫妻の元を離れ、ガードナーの教え子ロジャー・ファウツ (Roger Fouts) に連れられてオクラホマ大学の霊長類研究所 (Institute for Primate Studies, IPS) で暮らすことになりました。

そこには18匹の手話を知らないチンパンジーたちが暮らしていました。以前にもお話したとおり、ワショーは初めて他のチンパンジーを見たときには自分が人間の子供じゃなかったことにショックを受け、アイデンティティーの危機を経験したそうですが、この頃には他のチンパンジーとも仲良くできたようです。そして、ワショーは彼らに手話で話しかけていたそうです。

例えば、落ち込んでいる若いチンパンジーには、「おいで 抱きしめるよ (COME HUG)」と手話して慰めていました。また、みんなに果物が与えられるときには、他の競争相手のチンパンジーたちに向かって、遠くの水道の蛇口を指差し「飲みに行け (GO DRINK)」と手話していたそうです。いい子なんだか悪い子なんだか分かりません。

そうこうするうちに、彼らの中からワショーの手話を覚えて使うものも現れました。マニー (Manny) というチンパンジーは、ワショーから「おいで 抱きしめるよ」を覚え、あいさつのときや他のチンパンジーを慰めるときに使うようになったそうです。

そして、他のチンパンジーたちも研究員たちから手話を習うようになり、ワショーも彼らと手話で会話するようになりました。サポルスキーの揶揄したブーイー (Booee)や、ニムの兄弟でテラスに批判されたアリー (Ally) もこのときに手話を覚えたチンパンジーです。

ワショーはここで、他のチンパンジーたちに手話を教えるだけでなく、彼らから学んだり新しい手話を作り出したりもしました。

例えばワショーに手話を教えたガードナー夫妻は「毛布 (BLANKET)」という手話を知らなかったので、代わりに「覆う (COVER)」を使っていましたが、他のチンパンジーが使う手話を見て「毛布」の手話を使うようになりました。

同様に、「リンゴ (APPLE)」はワショーにとって果物全般を指す言葉でしたが、他のチンパンジーが使うのを見てリンゴだけを指すようになりました。

また、前回にも出てきた「人 (PERSON)」という手話。給仕係にエサをもらう際、自分に気づいてもらうために彼の名前を手話しても、見ていないと気づかれないので、手を叩いて音で注意を引くようになりました。しばらくはこの給仕係を指す手話になりましたが、のちに人全般を指す手話になったそうです。

ワショーはここで、ルーリス (Loulis) という幼いチンパンジーも養子にしましたが、研究は例の一連の騒動の余波で資金難となり、1980年、またまたセントラル・ワシントン大学 (Central Washington University) の Chimpanzee and Human Communication Institute (CHCI) に移動することとなりました。一緒についてこれたのはわずかにルーリスとモジャ (Moja)、タトゥ (Tatu)、ダル (Dar) の4匹。残りは散りぢりとなりました。

しかし結局、ワショーとモジャ、ダルは、かろうじて CHCI で息を引き取ったものの、昨年8月にルーリスとタトゥも保護区送りとなってしまいました。ワショーを祖とする手話チンパンジーの系統は、ここに断絶となりました。

ワショーは2007年10月30日に、42歳で病気のあとに死亡しました。死の間際は、家族同然の仲間と人間の友達に囲まれていたそうです。

「彼女は具合が悪かった。私は飲み物をあげに彼女に近づいた」とファウツは言った。「彼女は頭を持ち上げ、ホーホーという鳴き声 (チンパンジーが出すおだやかな声) で私にあいさつをした。彼女はいつも礼儀正しく、ほがらかな人だった
The Seattle Times より

ワショーに先立つ1995年、育ての親ベアトリクス・ガードナーが亡くなっていました。ワショーが知っていたかは不明ですが、あの世での再会の喜びを手話で語ったことでしょう。

ワショーの住んでいたワシントン州エレンズバーグ市は、ワショーの死後に「共同体の娘」の称号を授けました。

世界初の手話で会話するチンパンジー、ワショー - その2

ワショーはココと比べていわゆる名言があまりないのですが、それでもワショーの言葉として有名なのが池で白鳥を見かけて言った「水鳥 (water bird)」です。それまでに知っている単語を組み合わせて新しい単語を発明するという、人の言語において重要な特徴をチンパンジーも行っているとして注目されました。

また、以前ご紹介したワショーの動画に出てきた「私の 飲み物の 中の 赤ちゃん (Baby in my drink)」。これもチンパンジーが何かを見て言葉で描写することができるとして人々を驚かせました。

…でもどっちのケースも、テラス博士に言わせると誘導尋問だってことになるんですけど!

ちなみに、ワショーはなぜか靴が大好きだったようで、話し相手の靴をチェックすることが趣味だったそうです。そのときのやりとりとおぼしき会話もあります。

話し相手: それは何?
ワショー: 靴 (Shoe)
話し相手: その靴は誰の?
ワショー: あなたの (Yours)
話し相手: 何色?
ワショー: 黒 (Black)

そして、ワショーもココやニムと同様、くすぐりっこも大好きだったようで、
  • 「おいで、くすぐって (come tickle)」
  • 誰がくすぐるの?「あなた (you)」私は誰をくすぐるの?「私 (Me)」
などの会話も残しています。

ココは使わないけどワショーが使う手話として面白いものでは、「お願いします (Please)」があります。文字どおり何かをお願いするときに組み合わせて使っているようです。
  • 「お願い、行こう (Please go)」
  • 「外に出して、お願い (Out, please)」
  • 「お願い、飲み物 (Please drink)」

ココはペットの子猫を亡くして悲しみましたが、ワショーは2匹の子供を産んだものの2匹とも幼いうちに心臓病と感染症で亡くしました。そして、同じように子供を亡くした人間と悲しみの気持ちを手話で共有しました。

カット (訳注: 女性名 Katherineの短縮形) は、チンパンジーのワショーが17歳のときに毎日働きに来ていたボランティアだった。カットが妊娠したとき、ワショーは大喜びだった。ワショー自身は2回の妊娠を経験し (両方とも早死した)、それでワショーは常にカットのお腹とその中の赤ちゃんに注意を払っていた。手話を使い、彼女は赤ちゃんのことを聞いていた。

そして何の前触れもなく、カットはワショーに会いに来なくなった。カットが戻ったとき、ワショーは心からのあいさつをしたが、しかしいつもと違って彼女に距離を置いていた。ワショーはカットの不在で心を傷つけられていたかのようだった。カットはワショーに、なぜ会いに来なくなったのか伝えた。彼女は流産していた。

カットは手話した。「私の 赤ちゃん 死んだ」。ワショーは下を向き、そしてカットに向けて手話をした。「泣く (Cry)」。そして後に、カットが行かなければならなくなったときに手話をした。「お願い 人よ 抱きしめて (Please person hug)」
Los Angeles Times より

チンパンジーは涙を流すことはないのですが、目から涙のあとを指でなぞるように「泣く」と手話をしたそうです。彼らにも悲しみの感情があること、それをいつまでも覚えていること、そしてそれを他人と共感できるということでしょうね。パターソン博士も子供を亡くしたヒヒを例に同様のことを言っています

ワショーは後年、他の手話をするチンパンジーたちと一緒に暮らしましたが、その母性愛で彼らの女家長となっていたそうです。
参照:
Washoe - Friends of Washoe
Teaching Sign Language to a Chimpanzee. - Science, New Series, Vol.165, No.3894, (Aug. 15, 1969)
Washoe (chimpanzee) - Wikipedia
NEXT OF KIN: What Chimpanzees Have Taught Me About Who We Are. ... - Los Angeles Times

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