ゴリラにとって、死は「大きな-苦しみ」?

死んだら身も蓋もないことになると述べたマイケルですが、実は前回の会話は、マイケルが孤児になった経緯を語った直後のことです。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、マイケルの死に対する見解は、この時の出来事が大きく関係していると思います。

死んだら「鳥が 食べる (bird eat)」理由は、殺された両親の遺骸をハゲワシ等の鳥が食べるのを目撃したからかもしれません。また、ココもマイケルも「鳥」を侮蔑用語としても使用するので、ひょっとすると本当の鳥ではなく密猟者たちのことを指しているのかもしれません。

ゴリラや人は「挫折して (Pull-out-hair)」死ぬというのも、この時の強烈な体験が由来でしょう。ゴリラの家族はシルバーバックと呼ばれる雄のリーダーを中心とした群れを作りますが、群れが危険に襲われた時にはリーダーが必死に群れを守ろうとします。

マイケルが密猟者たちに襲われた際も、リーダーである父が戦う姿を見たことでしょう。ナショナルジオグラフィックの「怒れるゴリラとの付き合いかた」という動画で、怒りに燃えて荒々しくディスプレイ(威嚇行動)をするゴリラが見られますが、このような光景だったのかもしれません。そして、身を潜めて怒りが静まるのを待った研究者たちと違い、密猟者たちは銃などの武器で殺害することを選んだでしょう。

残された母親や他の大人のゴリラがどうなったのかも想像に難くありません。ナショナルジオグラフィックの「ストレスのケア、赤ちゃんゴリラ救出」にもあるように「ゴリラは自分たちの子どもを死にもの狂いで守ろうとする」ので、みんな子供を守ろうと戦って殺されてしまったのでしょう。そもそもマイケルの話によると食べられてしまったそうなので、食料としてゴリラの肉が目当てだったのですから、どちらにしても殺されていたでしょう。

“Pull-out-hair” には「挫折して」という意味の他に、「失敗して」「負けて」という意味もあるとお話しましたが、例えどの意味で使ったにせよ、両親と大人たちは自分を守ることに失敗して、負けて、挫折して死んで行った、ゴリラは敗北して死ぬのだ、と答えているわけですから切ない話です。

そんなマイケルにとって、死は “Big-Trouble” 「大きな-苦しみ」「大きな-不幸」以外の何ものでもなく、「哀れ (Sorry)」なことなのです。


カテゴリ: ゴリラの死生観
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