「ココを (話すことを) 可能にしている」とは何か (AOLチャットを考える)

以前の記事でロバート・サポルスキー博士は、ココは全く会話をしておらず、パターソン博士が「ココを (話すことを) 可能にしている」と批判していました。これについてもう少し掘り下げてみたいと思います。

ココの会話能力に懐疑的な人たちの意見を読んでいると、結構な頻度で提示されるのがAOL主催で行ったインターネット経由の会話 (チャット) です。何度か行われたようですが、公式に掲載されている記録は1998年4月28日のものです。内容はチャットの参加者がココに質問を送り、パターソン博士が通訳をしてココが質問に答えるという流れです。

第三者が見ていないところで記録された会話や編集された映像と違い、リアルタイムでのココの会話を聞けるわけですから懐疑論者でなくとも興味深い記録ですが、その会話はアメリカ版WIREDのサイトでも評されたように「あいまいな」ものでした。

ココは、ほとんどの場合で質問に正しく回答することができず、パターソン博士がココの答えの「真意」を解説をするという流れでした。例えば、チャットの開始早々行われた以下のような質疑応答です。

AOL: MInyKittyが聞いてるよ。ココはいつか子供を産むの?
パターソン博士: いいわ、ココへの質問ね?ココ、あなたはいつか子供を産むの?
ココ: ココ-好き 食べる…ちょっと飲む (Koko-love eat ... sip.)
AOL: 私もだ

パターソン博士: 子供は?子供は産むの?彼女は考えてる…手をあわせてる…
ココ: 見たくない (Unattention.)
パターソン博士: かわいそうな子。彼女は「見たくない」と言ったわ。彼女は顔を手で覆った…そうはならないと言う意味、基本的にはね。もしくはまだそうなっていないという意味…分からないわ。
AOL: 悲しいね

パターソン博士: 質問には答えてるわ。言い換えれば、彼女はまだ子供はいない、そしてこのままでは未来が見えない。状況がどうなってるかと言えば、つまりココとンドゥメ、彼女は1匹の雌に対して2匹の雄を持っている。これは彼女が必要としているのとは反対。彼女がああ言ったのは、私たちの現在の状況では、子供を産むことができないからだと思う。彼女は、家族を持つために何匹かの雌と1匹の雄を必要としているの。

ココは「子供を産むのか」と聞かれて、「飲食が好き」「見たくない」と答えました。しかし、この回答はパターソン博士によって最終的に「理想的なゴリラの家族関係が築けないので子供は産めない」という意味になりました。

何をもって正しく応答できたかという議論もありますが、それでもココの回答は質問の意図に沿っているとは考えにくいと思います。そして、そこからゴリラの家族関係にまで発展させたパターソン博士の解釈は、いくらなんでも強引過ぎるきらいがあります。

そして、このような会話はこのあとも明瞭となることなく最後まで続きます。
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