ココは本当に1,000語以上もの手話ができるのか (AOLチャットを考える)

ココにつらくあたるようですが、パターソン博士の解釈のほかにもココ自身の会話能力も疑われています。

これまでの公開チャットの内容を見ると、相手の質問を理解できていないと思われますが、手話の能力にも疑念を抱かせるものがあります。例えば、以下の会話です。

AOL: 質問、ほかの人たちとおしゃべりするのは好き?
パターソン博士: ココ、人とおしゃべりするのは好き?
ココ: すばらしい 乳首 (Fine nipple.)
パターソン博士: そう、それが彼女の答え。「乳首 (nipple ニップル)」は「人 (people ピープル)」と韻を踏む、いい?彼女は人という手話それ自体をしない。だから彼女は「同じように聞こえる…」ことをしようとしているのかもしれない。けど、彼女はそれを「すばらしい」と指し示したわ。

パターソン博士の解釈も気になりますが、1,000以上の手話ができるのに「人」という手話ができないのか、という素朴な疑問も出てきます。「乳首」と手話ができて「人」と手話ができないのか。「人」と手話するよりずっと難しい押韻をするのか。

本当に1,000以上もの手話ができるのか、サポルスキー博士が批判するようにデータが無いので調べようが無いのですが、別の方法で推測した人がいます。このチャットの記録を元に、ココの MLU (平均発話長 子供の発達を調べるための指標) を調べ、ココの発話能力が何歳の子供に相当するかを調べるのです。

結果、22ヶ月の子供相当と出ました。人間の子供は24ヶ月で200〜300の単語を使えるようになるそうなので、とても1,000には及ばないことになります。もちろん、人間の指標をそのままゴリラに当てはめることはできませんが、この結果は非常に興味深いことを示唆しています。

実は、1,000以上の手話ができ2,000語以上の単語が理解できるとされるココは、言葉を理解できるとされる類人猿の中でも圧倒的に語彙数が多いのです。チンパンジーのワショーは350の手話、ニム・チンプスキーは125の手話。キーボードを使って会話するチンパンジー (ボノボ) のカンジは450の単語を理解できますが日常で使用するのは30〜40の単語です。

今度はゴリラにチンパンジーの理解力を当てはめていいのかという問題も出てきますが、同じ類人猿として考えた場合、さきの22ヶ月の子供相当とした MLU の結果は、かなりの妥当性が出てくると言えます。ココの語彙数が本当は200〜300程度とするならば、他のチンパンジーたちと比較しても違和感の無いレベルです。

パターソン博士はココの手話の解釈と同様、語彙数に関してもかなり話を「盛っている」可能性も出てきました。
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