その他ゴリラの共感力について

ココ以外のゴリラが見せた共感能力といえば、動物園のゴリラの柵内に落下した男の子を助けたビンティが有名です。気を失った男の子を抱きかかえ、他のゴリラたちを追い払い、動物園の職員がやってくるまで守り続けたメスのゴリラです。

これについては、ブログ「優しい唄歌い」「人間の男の子を助けたゴリラ」という記事に動画とともに詳しく書かれていました。ぜひご覧になってください。

また、そもそも共感能力とは何か。何の役に立っているのか。ゴリラを含む類人猿の共感能力が、なぜ発達したのか。そして、他の類人猿と人間の共感能力はどう違うのかについては、京都大学大学院理学研究科科長 山極 寿一氏の講演の記録が詳しいです。

ゴリラの研究者である先生が、長年のゴリラの観察と研究から、共感能力を通して人間社会の家族のあり方まで語っています。非常に面白いページなのですが、長いので読むのが大変かもしれません。

ブログ「GrasspandaのWeb日記」の著者がこの講演を聞かれたようで、「家族進化論 - ゴリラから見える家族とは?」という記事に、短いながらも非常に分かりやすくまとめられていました。こちらを読まれてもいいかもしれません。
タグ:ゴリラ 共感
カテゴリ: ゴリラの共感力

映画が悲しいとゴリラも悲しい?

前回、ココの共感能力の高さのお話をしましたが、それを文字どおり見せつけてくれる動画がありました。なんとココが映画を見ています!


以下翻訳です。
[字幕]
ココの好きな映画のひとつ…

[パターソン博士]
そしてこれが、彼が学校に行くために去ってしまう場面。

[字幕]
それが「ムッソリーニとお茶を」

[字幕]
ここが悲しい場面…

[パターソン博士]
(画面外の男の人との会話省略)
背を向けてるわ。
ここがその悲しいシーンよ。
ルカが去って、みんながキス、キス、キスをしてさようなら。
そうよね、ここが悲しい場面なのよね。

みんな勇気についての歌を歌うわよ。
それとも勇気についての詩かしら?

ほら、みんなキスをしてさよならを言ってるわよ。
…抱きしめてキス。

ほら、みんな勇気を持ってるわよ?
あなたも勇気を持ってる?勇気をもってるの?
あなたはとっても勇敢に見えるわよ?

[ココ]
うん (Good) (訳注: ココは“Good”を「良い」の他に、“Yes”の意味で使うこともあるのだそうです)

[パターソン博士]
あなたのために、何かできることはある?

[ココ]
笑って… (Smile...)
顔をしかめる/悲しい (Frown/sad)


[パターソン博士]
ああ、そうよね、悲しい…分かるわ、悲しいシーンよ。

[ココ]
泣く (Cry)

[パターソン博士]
みんな泣いている…映画のみんなが泣いているわよね。

[ココ]
よくない (Bad)
不幸 (Trouble)


[パターソン博士]
ああ、そうよね、不幸がある、よくない不幸よ、よくない。

[ココ]
…お母さん (Mother)
好き (Love)


[パターソン博士]
かわいらしい子がお母さんと一緒、そうね。
彼を養子にした、すてきなお母さん…とてもすてきよ。

そうね、分かるわ、見るのがとても辛いシーン。
見たくなかったのよね。

…どうですか!もう驚くところが多すぎて大変です!

まずゴリラが映画を見るなんて、漫画のクロマティ高校だけだと思ってました!というか、好きな映画のひとつってことは、普段からもっとたくさん見てるっていうことですよね!?…と思っていたら、公式によるとシャチの映画「フリー・ウィリー」が好きなんだそうです…!

悲しいシーンの直前で背を向けるということは、ストーリーを覚えているということですよね。というか、ストーリーまで理解できているということ!?パターソン博士と「泣く」とか「お母さん」とか話しているということは、そうなのかも…!?

そしてなんと言っても、この貫禄ですよ…!どうですか…映画を見つめるココ…。もう中におっさんが入っているとしか思えません。はっきり言って、冒頭部分は、お気に入りのシーンが始まるんで、バサっと新聞置いて画面を見つめだしたお父さんにしか見えません…!

それはともかく、動画の説明によると、ココは見ながら目に涙を浮かべていたそうです。大型類人猿は他者への共感を感じることの科学的な証拠があって、とくに、架空の人物に対しても共感できるのかもしれないと言っています。ここまで来ると、本当に人間と変わらないですよね…。
カテゴリ: ゴリラの共感力

人が悲しいとゴリラも悲しい

悲しい映画を見て涙する、これは共感という能力のおかげだそうです。たとえ作り物でも映画の中の人物の感情が伝わり、それと同じ気持ちになれるということのようです。

この共感は犬などもするようで、愛犬家には昔から知られていた「犬にもあくびがうつる」という現象は、共感のなせるわざなのだそうです (人のあくびはイヌにもうつる!? - ナショナルジオグラフィック)。しかし、その能力はわれわれ人間に比べると低いようで、サル、類人猿と人間に近づいてくるにつれ高くなってくるのだそうです (第8回クオリアAGORA/〜ゴリラから学んだこと〜 - 京都クオリア研究所)

ということは、われわれと同じヒト科の動物であるゴリラにも、非常に高い共感能力があるということになりますが、ココにはその能力の高さを教えてくれるエピソードがたくさんあります。

例えばココは、スノーフレークと呼ばれるアルビノ (皮膚や毛の色素が極端に少ない異常) のゴリラが、お風呂に入れられて嫌がっている写真を見て言いました。
ココ: 私が そこで 泣いてる (ME CRY THERE)
真っ白なゴリラを見ても、自分と同じゴリラだと理解した上で、嫌がっていることまで理解しています。

そして、ココが助手のシンディーと一緒に、ちょっと歯を出している馬の写真を見たときのこと。
ココ: 馬 悲しい (horse sad.)
シンディー: どうして? (Why?)
ココ: 歯 (TEETH)
歯を見せている顔が、悲しんでいる表情に見えたのだと思います。

またある日、ココの伴侶となる予定だったゴリラのマイケルが、部屋の外に出して欲しいと泣いていたときのこと。隣の部屋にいたココに「マイケルはどういう気持ちなの?」と聞いたところ、
ココ: かわいそうだと 思う 出して (FEEL SORRY OUT.)
と答えました。

とくに印象的なのが、助手のミッツィとのエピソードです。ミッツィが悲しんでいる悩みについて、ココに話をしたときのこと。
ミッツィ: どうしたら気持ちが楽になる? (What could I do to feel better?)
ココ: カーテンを 閉めて … 綱引き (CLOSE DRAPES ... TUG-OF-WAR)
ミッツィが日記に書いていると、ココが静かに近づき、たずねました。
ココ: 悲しい? (sad?)
ミッツィ: もう大丈夫よ (I feel better now.)
すると、ココは微笑んだそうです。

「カーテンを 閉めて」というのは以前にもお話しましたが、ココの寝所に張ってあるカーテンのことで、これがあるとココは安心できるそうです。「綱引き」は、ひょっとするとココの好きな遊びかもしれません。

相手が悲しんでいるとき、自分だったらどうすれば気持ちが楽になるか考えて、そして心配して声をかけるというやさしさもあるとは、本当に驚きです…!
カテゴリ: ゴリラの共感力
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