ゴリラに学ぶ女性の口説き方

前回パターソン博士にキスをせがむというキザな真似をしたンドゥメですが、彼はなかなかの女たらしです。

例えば、2002年7月13日、セレナ・ローズ・ラインブランドと外で遊んでいたときのこと。ンドゥメは花を摘み、セレナに渡したそうです。

セレナ: ありがとう、きれいね!
ンドゥメ: グルル (Purr.)
セレナ: とても愛しているわ! (I love you so much!)
ンドゥメ: グルル (Purr.)

そして、ンドゥメは交差させた腕で胸を叩き、ぱたぱたと何度か音を立てたそうです。“Love-pats” と書かれていますが、愛を表現するジェスチャーか何かでしょうか。「愛のぱたぱた」と訳そうかと思ったのですが、あまりにも響きが馬鹿っぽいので、今後「ぱたぱた」と表記されていたら「愛のぱたぱた」のことだと思ってください!

というか、花をプレゼントしただけで「愛してる」と言われてぱたぱたと勝ち誇っているゴリラを想像すると憎しみすら湧いてきそうなんですが…!なぜに彼はモテるのか…もう少し見てみましょう!

2003年4月10日、ンドゥメは室内で仰向けに寝転がって毛布やおもちゃで遊んでいて、セレナが窓越しに彼に話しかけていたそうです。

ンドゥメ: (毛布とおもちゃを)ぐるぐる にっこり グルル (Stir#. Grins.# Purr.*#)

話しているように見えますが、* が発声、#がジェスチャーまたは発声を表すんだそうで、それにしたがって翻訳しようとも思いましたが、彼はただのゴリラでグルルとしか言わないのでそれ以外はジェスチャーということで。そして、ンドゥメは足で小さな椅子を持ち上げたそうです。

セレナ: 足で!

ンドゥメは少しして椅子を下ろし、

ンドゥメ: ぱち、ぱち、ぱち (足で拍手) ぱち、ぱち、ぱち (手で拍手)
セレナ: 足で拍手したのね!見たことがないわ!かわいい!
ンドゥメ: (足を叩く) (Slap-foot.)
セレナ: そう、足!
ンドゥメ: 俺の にっこり (Mine. Grin.)
セレナ: いい足を持ってるのね。
ンドゥメ: ぱたぱた (Love-pats.)
セレナ: 自分の足が好きなのね。
ンドゥメ: 俺の (Mine.)
セレナ: 私もあなたの足が好きよ。
ンドゥメ: (足を叩く) にっこり (Slap-foot. Grin.)
セレナ: あら、あなたはとても可愛いわ!
ンドゥメ: グルル ぱたぱた (Purr. Love-pats.)

そして、ンドゥメは足を持ったまま腰を下ろし、セレナを見て微笑んだそうです。

セレナ: もう寝るの?
ンドゥメ: グルル (Purr.)
セレナ: 愛してるわ (I love you.)
ンドゥメ: ぱたぱた にっこり (Love-pats. Grin.)

なるほど…。足で椅子を持ち上げるというたくましさを見せたあと、足で拍手とかちょっと子供っぽい仕草で母性本能をくすぐるとかそんな感じですか。そして、さわやかににっこり笑うこと、さりげなく自分の長所もアピールしちゃうところ、さらに臆面もなく花を差し出せるキザったらしさが重要ということですね!誰か実践して効果があったら教えてください!

ちなみに、冒頭で花を差し出したのは、おそらく人間のとは別の理由です。ココはIQのテストを受けた際、「食べ物として適切なものを選べ」という問題で花を選んで採点者を困らせていました。そう、ゴリラにとって花は立派な食べ物。ンドゥメは「これ食べる?」という意味で花を差し出したのだと思います。

ンドゥメ - 彼もまた話せるのか

ンドゥメの話を書こうと内容がかぶらないように以前の記事を見ていたら、彼をディスってばかりでした。一応擁護しておくと、公式では仲良くやってると書かれています。ココは2回目のAOLチャットでも、ンドゥメのことを「やさしい (Sweet)」と言っています。

ただ、現在2匹は別々の部屋で暮らしていること、公式でもンドゥメは「常軌を逸したふるまい」をすると記載され、ンドゥメがココのもとに来る前の素行が良くないことなどから、私は勝手に2匹は上手く行っていないと思っていたりします。

とは言うものの、ゴシップばかり書き立ててるようで申し訳ないので、いい話も書こうと思います!

ココと言えば子猫ですが、ンドゥメも飼ってはいないものの嫌いではないようです。子猫に対しやさしくおとなしく接するとのことで、例の白黒の猫モモを近づけられるとグルルとのどを鳴らしたそうです。

2匹の犬、マックスとフラワーと仲が良く、犬たちは毎朝ンドゥメに挨拶をし、吠えたり追いかけっこしたりして遊んでいるそうです…あれ、フラワーってもう死んだんじゃなかったっけ…2001年当時の話ということで!

ココやマイケルのように手話で会話できるのかも気になりますが、きちんと教えられていないのでできないそうです。ただ、ココや故マイケルの手話を見て真似をしたり、ゴリラ特有のジェスチャーでコミュニケーションをとったりするそうです。また、英会話を聞いて多少は分かるのだとか。

例えば2002年2月25日、ココとンドゥメが一緒に座ってグルルとのどを鳴らしていたとき、ンドゥメがアカシアの枝をかじりながらパターソン博士に近づいたそうです。

パターソン博士: こんにちは
ンドゥメ: グルル ちょうだい キス (Purr. Gimme. Kiss.)
パターソン博士: キス?
ンドゥメ: グルル (Purr.)
パターソン博士: あなたいい子ね!
ンドゥメ: お腹すいた (Hungry.)
パターソン博士: いいわ、ンドゥメはお腹がすいたと言ってるのね
ンドゥメ: グルル (Purr.)
ココ: グルル (Purr.)

「お腹すいた」はお腹をさするか何かのジェスチャーだったそうです。発声だと書いてあるのですが、おそらく「ちょうだい」もジェスチャーでしょうね。ゴリラが口でしゃべったらそれこそココ以上のニュースになると思います。

最後のグルルはお腹がすいてるという問いへの同意のようですが、ココもンドゥメと一緒になってのどを鳴らすだけのゴリラになってしまっているところが微笑ましいです。

しかし、ココがいるのに他の女性にキスをせがむなんてなかなかいけ好かないゴリラです!
KIDS' FREQUENTLY ASKED QUESTIONS と Gorilla Journal Vol.24 No.1 より

ンドゥメ - 現在のココの旦那

アルファベット表記だと“Ndume”、「ン」で始まる単語は奇異な響きですが、それゆえかアメリカでも「エンドゥーメイ」と呼ぶようで、どうカナ表記したものか迷ったのですが、元々スワヒリ語由来で「男」を意味する言葉だということ、アフリカ由来の「ン」で始まる言葉は日本でも珍しくはなく、例えば地名も「ンジャメナ」のように表記されていること、しりとりに新たな逆転要素を追加できること、といった理由でこの表記にしました。

でも、アメリカ式だとココもコウコウだし、マイケルはマイコーだし、英語の発音にこだわらなくてもいいですよね。

ンドゥメは1981年10月10日の旧体育の日生まれ、独立記念日生まれのココとは10歳差です。オハイオ州のシンシナティ動物園生まれで、182cm 181kg の巨漢です。ちなみに、ココは 154cm 127kg だそうです。

もともとココは一緒に手話を学びながら育ったマイケルとつがいになることが期待されていましたが、二匹は兄弟のような関係となりつがいにはなれませんでした。そこで、新たなつがいの相手を探すこととなりました。

公式によると、ココに何匹かの雄ゴリラのビデオを見せ、その中からココに選ばれたのがンドゥメなんだそうです。その模様が公式の How Koko Chose Ndume に動画としてアップされています。Youtubeにもありますが、後半のみの短縮版です。以下動画の翻訳です。

字幕: ンドゥメに会おう…ビデオデートに感謝…

パターソン博士: いいわ、ゴリラを見て。彼の見た目は好き?
ナレーション: ココは見込みのあるつがい選ぶためにビデオを見ていた。
ココ: 訪問 持つ ゴリラ ココ-好き (Visit have gorilla Koko-love)

ナレーション: それは、いいぞ、ダメだ、という反応だった。
ココ: 彼 (Him)
ココ: ダメだ (Thumbs down)
パターソン博士: あら、消しちゃったわ、あはは。

ココ: ココ-好き 連れてきて (Koko-love bring)
パターソン博士: なんてこと、大きなキスね!
ココ: 見て にせの キス (See fake kiss)

パターソン博士: 自分からンドゥメが好きになったの?彼に来て欲しい?
ココ: 私は 彼 (Me him)

公式によると、1991年にココのもとに来てから仲良くやっているとのことですが、それから二十数年、未だに子供もできず、AOLチャットでの回答によると、ココはンドゥメを良く思っていないようです。ンドゥメ自身は他のゴリラとの間に3匹の子供をもうけたこともあるようですが、ココとは上手く行っていない理由は、以前にも書いたとおり環境的な要因ということになっています。

しかし、ンドゥメがココのもとにやってくる以前の半生を書いたブログ Chimp Trainer's Daughter によると、別の理由が書かれていました。ンドゥメはとても素行の悪いゴリラだったとのことです。

ンドゥメは「汚物投手」であり、「驚くべき正確さ」で大便や吐瀉物をあたり構わず投げまくっていたそうです。仲間のゴリラたちとも馴染めず、お客さんや職員たちにも害をなし、それゆえ彼は人からもゴリラからも嫌われ、「エンダミー (En-Dummy ばか者 とんま)」やその他の侮蔑的な名前で呼ばれていたそうです。

生まれ育ったシンシナティ動物園から1988年にブルックフィールド動物園に厄介払いされ、そこでも持て余されてココのもとに送り込まれたものの「彼の反抗心はそのままだった」とのこと。ううん…だいぶ話に乖離がありますね…。

ただし、公式のンドゥメ紹介のページにはそれとなく書かれています。「ンドゥメはまた、常軌を逸したふるまいに対処する方法を見つけるための機会を、私たちに提供してくれている」

というわけで、もう少し詳しく彼について見ていきましょう!
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